Welcome to the world
‐ピンポーン
玄関のチャイムが鳴らされる。途端に鈴の目付きが変わった。それまでが、娯楽と嗜好に溺れた怠惰な堕天使ならば、それはこの世の全てを見下しながらも絶対的な力を持つ『神』の様だった。
「安立クン、何を突っ立っているんだい?早く客を通したまえ。」
残念な事に、僕は彼女に逆らえない。たった十五の少女に従う大人がいるか、と思った貴方。ならば、僕の代わりに働いて貰えるかな?僕のこんな拙い文章では表しきれない、彼女の絶望的且つ醜悪な美しさを目の当たりにする事だろう。
‐ガチャリ
ドアの向こうに立って居たのは、黒髪の少女だった。制服は私立結義高校のものだ。
少女は僕を見ると、どこか安堵を覚えた様な表情になった。それなのに、瞳は不安に揺れていた。
「ここは『扉屋』で間違いないですか?」
どこか切羽詰まった様な声で少女は切り出した。これはまた妙な客が来たものだ。取り敢えず、このまま少女を不安にさせるのは善くない。出来る限り安心させられる声で話す。
「ええ、間違いないです。どうぞ上がって下さい。」
少女は軽く目礼をすると、僕の後に続き玄関に上がった。そのまま鈴の下へ案内する。少女が鈴の向かいに座るのを確認すると、鈴は口を開く。無機質な声で、いつもの台詞を吐く。
「やあ、扉屋へようこそ。
ああ、名乗る必要はない。生憎興味が無いのでな。」
「さて、君はどんな世界をご所望かな?」
玄関のチャイムが鳴らされる。途端に鈴の目付きが変わった。それまでが、娯楽と嗜好に溺れた怠惰な堕天使ならば、それはこの世の全てを見下しながらも絶対的な力を持つ『神』の様だった。
「安立クン、何を突っ立っているんだい?早く客を通したまえ。」
残念な事に、僕は彼女に逆らえない。たった十五の少女に従う大人がいるか、と思った貴方。ならば、僕の代わりに働いて貰えるかな?僕のこんな拙い文章では表しきれない、彼女の絶望的且つ醜悪な美しさを目の当たりにする事だろう。
‐ガチャリ
ドアの向こうに立って居たのは、黒髪の少女だった。制服は私立結義高校のものだ。
少女は僕を見ると、どこか安堵を覚えた様な表情になった。それなのに、瞳は不安に揺れていた。
「ここは『扉屋』で間違いないですか?」
どこか切羽詰まった様な声で少女は切り出した。これはまた妙な客が来たものだ。取り敢えず、このまま少女を不安にさせるのは善くない。出来る限り安心させられる声で話す。
「ええ、間違いないです。どうぞ上がって下さい。」
少女は軽く目礼をすると、僕の後に続き玄関に上がった。そのまま鈴の下へ案内する。少女が鈴の向かいに座るのを確認すると、鈴は口を開く。無機質な声で、いつもの台詞を吐く。
「やあ、扉屋へようこそ。
ああ、名乗る必要はない。生憎興味が無いのでな。」
「さて、君はどんな世界をご所望かな?」