Welcome to the world
眩しい光に包まれる、漆黒の部屋。そして、光が消えた部屋の真ん中には、扉があった。
それは、赤い扉だった。所々に金色の装飾が成されている。扉には向こう側が無い。ドアノブが付いているのもこちら側のみ。そんな扉が部屋の中心に現れた。
「素晴らしい。成功だ!さあ、さっそく『向こうの世界』に行ってみようじゃないか!」
笑顔で言い放つ鈴。呆然と立ち尽くす藤高涼歌。やがてその口からぽつりと言葉が漏れ出す。
「ウソ……こんな…。」
彼女の気持ちは大変良く分かる。普通、何も無かった空間に突然扉が現れたら驚くものだ。だが、今回ばかりはゆっくりとはしてられない。何故か。鈴が珍しく興味を持っているからだ。鈴は普段、あまりにも無気力だ。仕事でさえ疎かにしがちである。それが、今回はあんなにご機嫌ではないか。この機嫌が続く内に、仕事を済ませたい。
「藤高涼歌さん、申し訳ありません。驚愕に浸る前に、世界を試して下さい。」
僕の言葉に背中を押され、彼女は扉を開いた。
それは、赤い扉だった。所々に金色の装飾が成されている。扉には向こう側が無い。ドアノブが付いているのもこちら側のみ。そんな扉が部屋の中心に現れた。
「素晴らしい。成功だ!さあ、さっそく『向こうの世界』に行ってみようじゃないか!」
笑顔で言い放つ鈴。呆然と立ち尽くす藤高涼歌。やがてその口からぽつりと言葉が漏れ出す。
「ウソ……こんな…。」
彼女の気持ちは大変良く分かる。普通、何も無かった空間に突然扉が現れたら驚くものだ。だが、今回ばかりはゆっくりとはしてられない。何故か。鈴が珍しく興味を持っているからだ。鈴は普段、あまりにも無気力だ。仕事でさえ疎かにしがちである。それが、今回はあんなにご機嫌ではないか。この機嫌が続く内に、仕事を済ませたい。
「藤高涼歌さん、申し訳ありません。驚愕に浸る前に、世界を試して下さい。」
僕の言葉に背中を押され、彼女は扉を開いた。