うさぎとらいおん
うさぎと勇気
幼馴染に戻った次の日の朝。
下駄箱で会った凛也くんは挨拶をしてきてくれた。
気まずいはずなのに挨拶してきてくれて、ぎゅっと胸が痛む。
私の口から出た挨拶は、戸惑いで少しつまってしまった。
それから、私の方へ伸びてきた手にぎゅっと目を瞑る。
その手はいつものように頬ではなく、頭に乗せられた。
「寝癖、ついてるよ。」
跳ねている髪の毛をちょんとひっぱられて慌てて目をあける。
そっか、そうだよね。
もう、恋人じゃないんだもんね。
無意識に期待していたことに、目を伏せる。
そして、凛也くんはそのまま離れていってしまった。
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