うさぎとらいおん
「凜也くん!」
「…………。」
「凜也くんってば!」
夜で人が少ないとはいえ、街中でこんなお姫様抱っこなんて恥ずかしすぎて死にそう……。
降ろしてもらおうと凜也くんに話しかけるけど、完全無視で。
どうしたもんか、と考えていると、公園のベンチの上にそっと降ろされた。
「凜也く………っん!?」
何も言わずに降る、たくさんの長いキス。
酸欠になりそうになって凜也くんの胸元を必死で叩くけど、それすら無視で。
意識が朦朧とし始めたとき、ようやく凜也くんは私から離れてくれた。
「ど、どうしたの…………いきなり、こんな……」
ただでさえ慣れてないのに、こんな風に激しいのは初めてで、戸惑いを隠せない。
なのに、凜也くんはそれすら無視するみたいに私の首もとに顔を埋め、つーっと舌で撫でた。
「ちょ、凜也くんってばっ!」
こんな所でそんなことっ!と出せる限りの力で凜也くんを押すと、びっくりするぐらいあっさりと離れてくれた。
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