死神と私の人生ゲーム
「けど…そんなことしたら山本さんが死んじゃうんじゃないの…」
「彼は死にませんよ。
予定では貴方も死ぬはずじゃなかった。
ただ彼は友達に強盗役を頼んで貴方にいい所を見せたかっただけでした。
なのにはやとちりした貴方のせいで、何人もの運命が変わりました」
私は死ぬはずじゃなかった。
あの刃物を持った男はただの友達。
焦った私はただの…無駄死にってことか。
「その通り!!
貴方にしては珍しく頭が回っていましたね」
やっぱコイツ最高にムカつく。
「次の質問ですが新しい身体と顔は誰が見ても平凡というものを用意しました。
ゲームを平等かつ盛り上げるためにも貴方の外見に左右されるようなものではつまらないですからね。
人間で言う“中身”で貴方には勝負してもらいます」
死神は厳格さを醸し出すように眉を寄せもっともらしく言った。
「…中身ねぇ」
自惚れではないが前の私の容姿は恵まれていたほうだと思う。
その分…平凡とはどういうものかイマイチ現実味がない。