死神と私の人生ゲーム



「時間なんて関係ないでしょう?
人間は架空の物語でも感情を動かされ涙することがあると聞きました。
それが事実ならば難しくはないはずです」



簡単だと言わんばかりの死神に少し苛立ちを覚えた。
まぁ…コイツに人間の感情なんてわからないだろうけど。



「やるだけやるよ…」



「ええ…その意気です。
私に面白いものを見せてくれるのを期待しています」


おもちゃを前にした子供のように、死神は漆黒の瞳をキラキラと輝やかさせた。


何がそんなに楽しいんだろう…
死神の考えてることなんてわからないのは当たり前だけど、たまに妙に人間くさいコイツの頭の中を見てみたい。



好奇心からか?怖いもの見たさからか?



もしかしたら考えてることは私と大差ないかも知れないな…



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