死神と私の人生ゲーム
「……では、実りある一日を過ごして下さい」
そう言って死神はパチリと指を鳴らす。
次の瞬間には目の前にいたはずの死神はいなくなっていて、あるのは白い壁だけだった。
説明はかなり不十分だったけど文句を言っても仕方ないか…
せめて、名前くらい教えてほしかったな。
そんなことをウダウダと考えながら、すぐ近くにあったクローゼットの扉を開けた。
パステルカラーの服が沢山かけてある中に一つだけ明らかに色味が違う服があって。
それを手にとり、鏡の前で今の自分に合わせて見る。
紺色のブレザーとスカートの典型的な高校の制服だった。
私が高校を卒業して随分と経つのに、また制服に袖を通すことになるとは…
ただ一つの救いは、中身は大人でも見た目は立派な高校生だということ。