世界が逆転した日
「明宏はなんでそんなに飲みに行きたがるかなー。」


理由なんて分かっているんだけど、あまりに機嫌がいい明宏に腹がたって思わず口から出てしまった。


「それはですね、あっちゃんがチューしてって言ってくれるのが可愛くて。あっちゃんの声、酔うといつもより甘えた声になるって気づいてる?
その声でそんなこと言われたら、俺はもう...。」


「な!?変なこと考えただろ!?」


「やだなー、考えてませんよ。変なこと考えてるのはあっちゃんじゃないんですか?」


考えてない!
それにチューしてなんてそんなこと言うはずない!
...言ったかもしれないけど、改めて言われると恥ずかしい。


「明宏、最低。それ以上言ったら本気で怒る。」


猫みたいな口をムニムニさせながら、しまりのない顔をしている明宏が非常に腹立たしい。


「ええ!?あっちゃんから言い出したんじゃないですか!」


俺は悪くない!明宏が全部悪いんだ!!
明宏が俺にお酒を飲ませるから。
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