世界が逆転した日
「...仲良くやりなさい。では私は次の仕事があるからこれで失礼させてもらう。
支払いはしておくから、明宏たちはゆっくりしていきなさい。」


ええ!?軽っ!!
そんなんでいいの!?
君はどこの誰だとか職業とか年齢とか...、色々聞くことがあるんじゃないの!?

しかも二年半ぶりの親子の再会なのに滞在時間短すぎ。
まだ会ってから二時間も経ってないよ?


「あつこさん、明宏をよろしく頼みます。」


そう言い残してお父さんは去っていった。
その時俺は、お父さんが明宏と同じ優しい目をしていることに気づいた。

口数は少ないけど、もしかして本当は優しい人なんじゃないかな。
明宏に全く愛情がなければ、頼みますなんて言わないはずだ。
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