世界が逆転した日
一応メガネと帽子で軽く変装をしてから、車で待ち合わせ場所の洋食レストランへ。 
あまり過度な変装より、これくらいの方が逆に気づかれないんだ。
こっちの世界では知名度があるため、目立つような行動はなるべく控えなければいけない。

レストランの店員に名前を言うと、すぐにゆみちゃんの待つ個室に案内してくれた。


「あっちゃん、遅ーい。」


「ごめんね!ちょっと、その、寝坊しちゃって。」


下手な言い訳をして、なんとかごまかす。
あまり納得していない様子のゆみちゃんに、何でも注文していいからと機嫌をとって、俺たちは少し遅い昼ごはんを食べた。


「このあとどうするー?いつもみたいに、ゆみのアパートくる?」


な!?いきなり家に?
やっぱり、付き合ってるのかな。
まさか、俺たち付き合ってるの?なんて聞けないよね。

ああ、俺はどうしたらいいんだ...。
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