世界が逆転した日
その日の夜。

明宏から、話があるから飲みに行きませんかと誘いの電話があった。
俺も明宏には色々聞きたいことがあったから、すぐに個室の居酒屋を予約して、そこで待ち合わせることにした。

俺は飲むつもりはないし、飲んだとしても代行運転で帰ればいいから、車。
明宏もたぶん車で来ているだろう。
そこの居酒屋は二回目だけど、車じゃないと行きにくい場所にあるから。

軽いおつまみとビールとウーロン茶を注文してから、俺はさっそく話を切り出した。


「それで、話って何?」


「敦さんから先にどうぞ。俺に聞きたいことがあるんですよね?」


いっそ明宏に全て話してしまえば楽になれるのかな。
だけど、別の世界から来たなんて言ったら、頭がおかしいと思われるだけだよね。
こっちの世界の明宏は科学者じゃないんだ。





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