世界が逆転した日
「あの、急に変なこと聞いてごめん。」


「それはいいんですけど...、話続けても大丈夫ですか?」


そういえば、まだアドバイスとやらを聞いてなかった。
あまり聞きたくはないけど、そういうわけにもいかない。

俺は明宏に話を続けるように促した。


「父の病院で敦さんの彼女が働いてるんですけど、そこで良くない噂があるんです。
ショックを受けるかもしれませんが、同じ病院の既婚者の医者と不倫しているという噂です。
その噂がなくても、あの人はあまりいい人だとは思えないんですよ。」


不倫...?俺が二股かけられてるってこと?
俺というか、もう一人の俺か。

明宏は俺を心配して言ってくれているんだろうけど、少しショックだ。
ただの噂話で、友達の彼女のことを悪く言うなんて。

ゆみちゃんのことはほとんど知らないけど、女の子と上手く話せない俺にも優しく接してくれた天使みたいな女の子なんだ。

俺はいい子だと思うし、もう一人の俺だっていいと思ったから付き合ったんだろう。
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