世界が逆転した日
「ただの噂話でしょ?それに本当だとしても、俺と付き合う前のことかもしれない。」


「本当に気づかないんですか?あの人がどんな人かって。
それに、噂だけじゃなくてこの前...。」


「もういいよ、聞きたくない。俺が誰と付き合おうが明宏には関係ない。
付き合う人ぐらい自分で決める。」


明宏が悪いわけではないけど、もうこの話をしたくなかった。
明宏から恋愛のアドバイスをされるという状況が悲しすぎて。

俺たちはそれぞれ彼女がいて、バンドの先輩と後輩で、ただの友達。
この状況が、すごく辛い。

こっちの世界では男同士だし当たり前なんだけど、つい最近まで恋人だったから頭の切り替えができないんだ。

俺の明宏とこの明宏がベツモノだということは分かっているんだけど、目の前に同じ顔があると簡単に割り切れない。
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