世界が逆転した日
「ほら、お望み通り明宏連れてきたよ。」

亮ちゃんが連れてきたのは、やっぱり俺の明宏じゃなかった。
確かに明宏は、明宏なんだけど!
そうじゃなくて!


「ちがうよ!この明宏じゃない!」


「亮介さん?俺じゃないらしいですよ?」


「あっちゃん酔ってるからさ...。変なこと言うかもしれないけど、適当に相手してあげて?」


確かに酔ってるけど!
本当にこの明宏じゃないんだよ!

俺のそんな心の叫びは届かず、亮ちゃんはリビングに戻ってしまった。
俺と明宏は、二人きり。
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