世界が逆転した日
「そんなこと!
あっちゃんは何もしなくても、居てくれるだけでいいんです!

たまに、たまにでいいんですけど、
あっちゃんが歌ってくれたら...、嬉しいです。」


「歌...?そんなのでいいの?」


「そんなの、じゃありません!
あっちゃんが、あのあっちゃんが、
俺のために歌ってくれるんですよ!?
世界で一番のしあわせものじゃないですか!」




...そうだった。
彼は俺の、熱狂的ファンだった。


幸いにも、俺の声は男にしては元々高い声で、
女になった今も変わっていない。

...だから女になってたことに気づかなかったんだけど。


歌...、歌なら、なんとか。
今の俺でも、歌えるかな。




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