世界が逆転した日
「ごめんなさい...。」


その周波数を固定する作業が終わった後、なぜか突然明宏に謝られた。

何も謝ることなんてしていないのに。
そう思って、理由を尋ねる。


「あっちゃんが女になったのも、パラレルワールドに移動したのも、全部俺のせいじゃないですか。
そのまま男として蘇生することができていたら、こんなことにはならなかったんです。」


「それはそうかもしれないけど、明宏がいなかったら生きていることさえできなかったんだよ?
むしろ俺は、明宏にどうやって恩を返していいのか分からないくらいだよ。」


「...恩を返すために、義務とかで一緒にいるんですか?」


なんでそうなるかな...。

最初はそう思ったこともあったけど、今は違うのに。

どうしたらいいんだよ、この鈍感男は!

これだけ一緒にいて俺がどれだけお前のことが好きなのか、まだ分からないの?
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