世界が逆転した日
「もうこのお話は、終わり。
あ!今日は飲みに行く?」


何とか明宏の機嫌をとろうと、そんな提案をしてみる。

明宏は飲みに行くのが好きだから、これで機嫌が直る...はずだ。


「話をそらさないでください。聞かれたことに答えてくださいよ。
可愛い女の子と付き合いたいんですか?」


今日の明宏は本気でしつこい。

こうも責められると、意地でも好きと言いたくなくなってくる俺も困ったものだ。

なんで俺ばっかり責められなきゃいけないんだ。
俺だってお前に言ってやりたいことがあるんだからな!


「...違います。さっき答えました!」


「なんで敬語なんですか?」


「明宏が敬語使うからだろ。敬語は使うな、って言ってるのに!
その...恋人なのに敬語使うなんておかしいよ。
明宏の方こそ俺を恋人扱いしてないんじゃないの?」


美希ちゃんにはタメ口なのに、俺には敬語ってひどいよ。

思い出したらイライラしてきた。


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