世界が逆転した日
「前も同じようなことを言いましたよね。
やっぱり、俺のことなんて好きじゃないんですね。
あっちゃんは優しいから、俺に同情しているだけで。
恩返しをするために、ここにいるんだ。」


だから、なんでそうなるんだよ!

今のは一世一代の告白のつもりだったんだよ!?

俺の言い方が悪かったんだな...。
はっきり言わないと伝わらないみたいだ。


「ちょっと待ってよ。俺、ちゃんと明宏のこと好きだよ?」


「嘘つかないでください。
今まで一度だってそんなこと言ってくれなかったじゃないですか。

本当にそう思っていたとしても、そんなの思い込みです。
頼れる人が俺しかいなかったから、そう思わざるを得なかっただけ。

だから...、もう解放してあげます。」


解放ってなんだよ。
俺がいつそんなこと望んだ?

そんなに簡単に手放すことができるほど、お前の言う愛は軽いものだったの?
< 194 / 203 >

この作品をシェア

pagetop