世界が逆転した日
明宏は毎日研究室にこもって、研究している。


俺はそんな明宏のために、毎日、
料理をして、洗濯をして、家の掃除をする。


明宏はそんなことしなくていいと言ったけど、俺は無職の居候なんだから、
それくらいはさせてほしい。


明宏の役に立ちたくてやっていることだけど、あまり役には立っていない。


今まで家のことは全て母さんがやってくれていたから、俺は何もできない。




料理をすれば、料理とは言えないものが出来上がる。
洗濯をすれば、洗い方を間違えて服をだめにする。
掃除をすれば、余計に散らかす。


...俺は、昔からこうなんだ。
何をやってもだめだ。

勉強も、スポーツも、他のことも。
得意なことといえば、歌だけ。

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