世界が逆転した日

パラレルワールド

あれから、1ヶ月。

俺はバンドの活動の合間に、俺の身に起きた不思議な現象を解明しようと努めていた。

図書館の文献を読みあさり、ネットで情報を集め、
俺は頭が悪いなりに二つの仮説を立てた。


まずひとつ目は、明宏が言っていた部分健忘。
今の俺は、何らかの原因で部分的に記憶を失っている状態だということ。

思い出せることと思い出せないことが混在して、嘘の記憶が頭の中にある状態で、
明宏と暮らしていた2ヶ月は全て、嘘だった、ということ。

現実的に考えるなら、こっちの説が有力だ。



そしてふたつ目は、ここはよく似ているけれど俺が住んでいた世界ではないという説。

つまり、俺はパラレルワールドに来てしまったというわけだ。


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