世界が逆転した日
「明宏...手、握って...。」


男の俺にそんなことしたくないだろうに、明宏は何の戸惑いもなく手を握ってくれた。

明宏の、あったかい手。

こうしていると、俺と明宏が初めて手をつないだ日を思い出す。
ライブ会場から手をつないで帰ったこと。
あの手がなかったら、俺の心は折れてしまっていただろう。

この手は、俺のものじゃない。
彼女のもの、なんだ。
明宏と彼女はもう付き合って3年で、明宏は彼女のことをすごく大事にしている。


明宏はこの手で、彼女を守っているんだな...。
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