Seasons
「ありがとう…」
遠藤が小さい声で言った。



玄関を出て駅へと歩く。





大事な人を亡くした辛さはわからない。


残された人の気持ち…



俺が小さい頃に父親が亡くなった。その時はまだ幼すぎて悲しみも死もわからなかったんだ。



母さんと遠藤が重なって見える。。。



俺は彼女を支えられるのだろうか?








夜、母さんと話をした。


父さんが亡くなった時の気持ち。


遠藤に対してどうしていけばいいのかわからない気持ち。





「お父さんが亡くなって、一人で子供二人を育てて行かなきゃって思ったから悲しんでる暇はなかったわよ。悲しいけど子供がいたから頑張ってこれた。彼女は一人で辛さに耐えてるのね。大和は何もしなくてもただ側にいてあげればいいの。彼女の事を常に気にかけてあげるんだよ。ただ絶対に突き放したらダメよ!」


母さんに今でも父さんを好きかって聞くと、



「今でも愛してるよ。大恋愛だったんだから!」


って照れながら言った。
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