Seasons
夏休み明けから遠藤は登校してきた。




クラスの奴らの白い目。


俺は気にせず話しかけた。



周りからヒソヒソ聞こえる声。



「大和〜もしかしてお前ら出来てんの?」


ニヤつきながら山川が大声で言う。





「そうだとしたら何?」


クラス内がシーンとする。




「みんなが遠藤の事を誤解しすぎなんだよ。見た目で人を判断すんなよ!いつも噂を信じるばかりで本人に確かめたのか?」



遠藤は目を大きくして俺を見ている。



遠藤の手を掴んで居心地の悪い教室を出た。







「あんなふうに言って大丈夫なの?」



「いいんだよ。俺は遠藤の事を誤解されたままの方が嫌なんだ。」





屋上で二人で空を見た。




山川が後から追いかけてきて、



「ゴメン。お前の言う通りだな。誰も確かめる事はしてないし怖くて近寄らなかった…」



「お前らが教室を出た後、大崎が話を聞いてたみたいでクラス全員怒鳴られたんだ。川村だけが雪乃の事を解ってくれてるって。派手な格好してたって差別しないのは川村だけだって言ってたよ。」




「もういいよ。慣れっこだし。気にしないで。」


遠藤の口調が優しくて山川もびっくりしている。



「彼女は理由があって喧嘩しただけなんだよ。因縁つけられたんだよ。」
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