私と君の夏限定
朝食を食べ終え彼女が寝ている部屋に入る
「…あ、れ…」
俺が部屋に入るとそのタイミングに合わせたかのように彼女は目を覚ました
「やっと起きたんだな」
俺の顔を見ると彼女の口から名前が漏れた
「れ、んと…?」
「…何でお前、俺の名前知ってるんだよ」
「それはまだ言えないなぁ」
何だ、この人。この人とは初対面のはずなんだけど
驚いたような、怪訝そうな顔をすると彼女はクスリと笑った
色々聞きたいことはあったが彼女が学校は良いのか───など言ってくるから仕方なく合鍵を置き家を出た
───────
「なぁ、どうしたんだよ?」
「何が?」
昼休み、購買でパンを買って屋上に向かう途中陽太に聞かれた
「いや、授業中珍しく上の空だったから」
「…考え事してただけだ」
「ふーん、なら良いけど」
ほんとに考え事してただけだ
彼奴が何者なのか、何で俺の名前から年齢まで知ってるのか
それが気になって授業に集中できなかった
屋上の扉に手をかけると中から声がした
蓮斗side end