年上の花嫁。年下の花婿。
すると、憎たらしいほど爽やかな笑みを浮かべ、片桐冬馬は語り始めた。
「簡潔に言うと、僕は今非常に切羽詰まっています。」
全然そんな風には見えないわよ、とは言わないでおく。
「僕には兄が二人いるのですが、二人とも既に結婚しています。」
「はい。」
「そして、去年、上の兄に二人目が。下の兄に一人目の子供が産まれました。」
まぁ、まぁ、それは……
「おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
そう言ったきり、片桐冬馬は喋ろうとはせずじっこちらを見詰めてきた。
「………。」
「………。」
………で?