年上の花嫁。年下の花婿。





「それは…取引と言うことですか?」





振り返り、座ったままの彼を上から見下ろす。

意味がないとはわかっていても、声が冷たくなるのをとめることはできなかった。

しかし、片桐冬馬はそれを気にするでもなく薄く笑って、私を見上げ、



「ここで、"脅し"ではなく"取引"と言うあなたがますます欲しくなりましたよ。」



と、のたもうた。



なんて、嫌味な餓鬼かしら。

でも、餓鬼だと思わないと気圧されそうよ。
< 31 / 34 >

この作品をシェア

pagetop