年上の花嫁。年下の花婿。



「え、何よ。なんか気に食わないとこでもあるわけ?」

眉を寄せていた智里の顔が、一瞬にして真剣な美容師のそれに変わる。


「逆だよ。自分でも見惚れ(みとれ)ちゃうくらい綺麗だなぁー、って。」





「……当たり前でしょ。誰がやったと思ってんのよ。」


ふんっ、と鼻を鳴らした智里を横目に見て、視線はまた窓に映る自分へと戻る。

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