愛するということ
私の決意を信じてくれた拓馬だったけど、
同じ屋根の下に私たちを置くことを避けたのだ



私は、隼人の影が色濃く残るその家で、隼人への想いを必死い忘れようとしたけど、忘れようとすればするほど、くっきりと刻まれていくような毎日にすっかり心が疲労してしまい


何にも向き合えず、ただ時間を消費する



日々を過ごしていた。



そんな私を心配した美術部の先生が
、『とにかく筆を持ち、目に入るものを片っぱしから描いていけ』と半ば強引にキャンパスの前に座らせたのだ。





そして、不思議とキャンパスに向き合っている間は、何も考えることのないその時間に私は陶酔した
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