愛するということ
何か大きなものを諦めた後に、全てを受け入れたものだけがもつ、平穏さが彼からうけた印象。



そして、その色がまさに彼の作品に色濃く出ている。と



彼の作品には曲線が多く用いられる。

その採用の仕方は、これぞ涼といった絶妙な使い方で、
無機質な四角い本が、彼のカバーをつけただけで、まるで球体にでもなったかのように丸みを帯びた暖かいものになる。



まるで、魔法のように――






そんな作品を生み出す彼に会ったその瞬間から、興味を持った私は、大胆にもその日のうちに、彼のオフィスへ乗り込んでしまったのだ。
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