愛するということ
「うーん、瞬もずいぶん上手くなったね。そのうち俺が食わせてもらう日も近いな」

「それはないと思うよ。私はあなたの稼ぎの元、道楽で続けさせてもらうから」




ハハハと笑って私の頭を撫でてくれる彼からは、いつもフワッとお日さまの匂いがする。




「今晩は、何が食べたい?」

「そうだな、暑いから冷で一杯かな」

「何ソレーご飯の話ししてんだけど」

「冷で一杯に合うものでお願いします」

「はいはい」




「さて」と伸びを一つしながら再びディスプレイに向かい始めた彼を横目に、夕食の買い出しに出るために、私もアトリエを出た。
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