愛するということ
「拓馬、私・・・このコトは隼人には黙ってる。だから、拓馬も隼人には話さないで。」


「瞬・・・お前・・・」

「隼人から家族を奪っちゃダメだよ。だって、このコトを知ったら、隼人は一人になっちゃう」




言葉にしていくと、自分でも驚くほど決心ができてきた。




――隼人には秘密を通し続けなくてはいけない




拓馬は、すごく寂しそうな顔をしながら「分かった」と言って病室を出て行った。



一人取り残された病室は、シーンという音が聞こえてきそうな程静かなのに、混乱した頭は、どこまでも冷静になれそうもない。







出口が見えないまま夜が更けていった。

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