愛するということ
「そうですか、来年はニューヨークに」

「はい、向こうでの仕事も増えてきているので、これを機に、拠点を移してしまおうかと」


「そっか、瞬がニューヨークに」




上機嫌な拓馬がビールを差し出し、それに応えるようにコップを差し出す小沢さん。



さっきから、2人での話が弾んでいて、目の前にいる俺は必要なのかと言いたくなる。




明日は、瞬の結婚式だ。




「拓馬、そろそろ小沢さんを解放してあげないと。明日に差し支えたら大変だろ」


小沢さんは、きっと酒があまり強くないのだろう。
さっきから注がれた酒を断ることはしないが、飲むのが苦しそうだ。
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