愛するということ
瞬を呼びに行った友里を見送りながら、今しか伝えられないと思い、小沢さんの方へ向き直る。




「小沢さん」

「はい」

「あの、瞬のこと幸せにしてやってください」


「隼人君、僕は瞬を幸せにしてあげるのではなく、一緒に幸せなろうって約束したんだよ」




「・・・」



小沢さんは、柔らかくキッパリとそう言って、「じゃあ明日よろしくね」と部屋を出て行った。


玄関で瞬が待っていたらしく、外に2人で出ていく声がした。






最期に見せた小沢さんの言葉に、バシンと殴られたような気持ちになった。
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