愛するということ
学校で見かける瞬は、空っぽの目をしていて、何度も駆け寄りたい衝動を抑えた。



しばらくして、絵に没頭していると聞いて、少し安心したっけ。



忘れなければ・・・



毎日そのことばかり考えていた俺は、努力しても追い出すことのできない・・・




それどころか、日々増していく気持ちに焦り、何度も瞬の元へ行きたくても行けない現実に絶望し、自分を見失いそうになっただろう。


なぜ、あの時寸前のところで、自分の気持ちにブレーキをかけられたのか・・・





それは、瞬の笑顔を守りたい――。





それだけだったのだと思う。
< 148 / 217 >

この作品をシェア

pagetop