愛するということ
「大丈夫か?」



隼人の手が、私の頭をクシャクシャっと撫でる。

心配するような、壊れものに触れるように私を見る隼人の目に、私はどう映っているのだろう。




ダメだ。このまま、隼人に触れてはいけない。
私の中に警告音が鳴り響く。




「ごめん、ちょっとコンタクトがずれちゃって・・・」


とっさに浮かんだ幼稚な嘘も、気にしてはいられない。





--私は逃げるように、自分の部屋へ向かった。
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