愛するということ
「どうしたの?」




「うん・・・」



瞬は、それきり話をやめてしまった。




沈黙が続く。


月明かりしかないこの部屋に、この沈黙は重く、俺の心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかと焦る。




スゥ―っと衣擦れの音がして、瞬がこっちへ近づくのが分かる。



すぐ近くまで来ているのが、背中の感覚でわかる。

俺は、振り向いて瞬の姿を見ることを躊躇う。







振り向いてしまったら・・・


触れてしまったら・・・
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