愛するということ
父が逝ってしまってからは、ママの手伝いをすることが私の中での最優先になったから、絵を描く時間は、激減した。


それに加えて、この夏、同じクラスになった子の誘いで、人数不足バスケ部の助っ人に借り出されることになり・・・
絵を描くことがなくなっていた。


暑い・・・。


今回の美術展への出展はあきらめよう・・・



忘れよう。
忘れよう。

アイス・・・何食べようかな。



「・・・はぁ―」



一生懸命アイスのことで頭をいっぱいにしようと頑張っても、やっぱり無駄な努力に終わってしまう。

美術部室にある、真っ白な自分のキャンバスを思い浮かべて、苦笑するしかなかった。



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