愛するということ
「ただいまぁ。」


この頃、ママは忙しいらしい。

なにか、大きな物件を売り出すことを始めたらしく、夜中に帰ってくることも多い。



忙しいママに代わって、夕飯を作るのが私の日課だ。




さっき、ママから、夕方少し時間があくから、みんなと夕飯を食べたいとメールがきた。


『夕方』が何時ころなのか分からなかったので、いつ帰ってきてもいいように、早めに支度を始めることにした。


いつも一番早く帰ってくる中学生の友里よりも今日は、早い時間。



でも、玄関には靴が一足あった。


「隼人かな?」



隼人は、同じ高校に通っている。
うちの高校は、靴も指定のローファーだ。

今日は、夏休み前恒例の球技大会だったから、帰りが早くてもおかしくはない。

わたしが、途中スーパーに寄ってたから、その間に抜かれたのかもしれない。
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