愛するということ
目を瞑ると、時々苦しそうに顔を歪める瞬の顔が鮮明に蘇る。

ギューと俺の背中にしがみついて…




そっと自分の背中に手を回すと、昨日の出来事が嘘ではなかった証――
瞬の爪で刻まれた傷が僅かな痛みを与える。



この傷が永遠に消えてしまわないように望む一方で、瞬は小椋さんと結ばれて上塗りされていくうちに、俺とのコトなんてすっかり忘れればいいと。





矛盾する思いが体のあちこちを歪ませる。
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