愛するということ
きっと、ポッ赤く染めた顔で、上目づかい気味に話す友里を可愛いと思ってしまうんだろうな。


私は、ハアーっと大きなため息をついてから

「いいよ。友里やさしいから、はっきり断れないんでしょ?

けど、たまたま通りかかったからよかったけど、助けてあげられないこともあるんだから、ちゃんと断れるようにならないとね」


友里は、うつむいてギュッとてを握りしめている。




・・・言い過ぎたかな。



「・・・まあ、できるだけお助けしますよ」

「ありがとう。瞬ちゃんみたいに強くなれたらなあ。」


さっきまで泣きそうだったのに、子犬がチョコチョコ歩くように友里は歩いて家に入って行った。



「はぁ――。」

友里が誰かに告白されることは、珍しいことじゃない。

それを目撃するたびに、私が助けてあげているわけだけど、



最初の頃は、本当に友里を心配していたからの行動だったけど、最近は、ほぼ機械的になっているというか・・・



告白している彼らは、悪いことをしているわけではないのだ。

冷たく彼らの好意を突き放すたびに、私の心の中にもチクリと刺すものがある。

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