恋人未満の君へ、


どれだけの時間そうしていただろう。
チャイムの音で、私たちは正気に戻った。

「・・・・・・。」

むちゃくちゃ恥ずかしくなって、俯いてたら結城は優しく私の頭を抱いてくれた。
息遣いだけが、聞こえる。
ぎゅっと、制服のシャツをつかむ。
すると結城の鼓動が伝わってくる。
・・・ドキドキしてる?

「・・・馬鹿。」

照れ隠しのつもりのその言葉は、
伝わったかどうか分かんないけど。
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