君と見上げた空【完】
キーンコーンカーンコーン


授業終わりのチャイムが鳴った。

あ…技術終わったんだ。


「蝶、大丈夫か?」


空が口を開いてそう言った。


「もう大丈夫だよ、ごめんね
 たくさん泣いちゃって」

ホントはまだこの事実を受け入れきれて
いない。

だけど、空に心配をかけたくないから
そう言った。




「蝶、俺は簡単に死なないから大丈夫 
 だよ。絶対100まで生きてやる」


「空……」


空はほんと優しい。


「ほら、そうと決まったら教室戻ろーぜ」


「ねぇ、空…」



「ん?なんだ?」


私は思わず言ってしまった。


「好き…なの」


そう、こんな言葉を…




< 58 / 102 >

この作品をシェア

pagetop