君と見上げた空【完】
ガラガラ

教室のドアを開けると、今の時間は
自習らしく騒がしかった。


「あっ蝶ちゃん、どうしたの?
 遅かったけど…」


由希ちゃんが話し掛けてきた。


「…ちょっと眠かったから保健室で
 寝ちゃっただけ」


「そうなの?…よかったぁ」


「ごめんね心配かけて…」


私はそう言いながらふと、窓を見た。

空は雲一つない青空。

それを見て私は「空…」
つい、そう呟いてしまった。


「空?空ってあの新谷空先輩?」


その呟きを聞いた由希ちゃんがそう言った。


「…ごめん、なんでもない」


私は小さくそう言った。

私の頭の中はさっきの出来事でいっぱいだった。











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