君と見上げた空【完】

「えっ！？…どういうこと…？」


私の頭はもうすでに混乱状態に陥っていた。


そんなとき、荒川さんが口を開いた。

「いいわ、全部教えてあげる。
　あんたをいじめた理由からすべてね！」


荒川さんは涙目で話し始めた。


「私と由希は社長令嬢同士で幼馴染だった。
　それで、親同士も仲が良くてすぐに
　二つの会社を合併させたわ。それから
　月日が流れて…一昨年ぐらいに会社の
　金がどんどん減っていることが分かったの。
　おかしいな？ってお母さんは思ったみたい
　だけどお父さんは大丈夫って言ったから　　
　大して気にも止めなかった。
　それなのに…それなのに…ッ」


「去年、お母さんがお父さんの通帳を
　こっそり見てみると…定期的に同じ額
　の出費があったの。お母さんはさすがに　
　おかしいと思ってお父さんを問い詰めた。
　そしたら、なんていったと思う？」


「…キャバクラの女に渡しているだってさ。
　…その女があんたの親だったのよ！！
　それに、うちのお父さんだけじゃなくて　
　由希のお父さんも渡していたのよ！！」


そんな…



「それから、お母さんとお父さんの仲が
　悪くなって離婚、由希の親もそうよ！！
　それに、離婚するときお父さんはなんて
　言ったと思う？金を渡していた女だけは
　責めないでくれ！！あの女はなにも
　悪くないんだ！って…もう私、生きる
　気力さえ失ったわ…」



「…それから私はお母さんと由希と由希の
　お母さんと暮らし始めた。だけど、その
　生活は離婚する前と一転したわ。そんな
　暮らしをしているうちに私はキャバクラ
　の女、そうあんたの親を恨み始めた。
　そんなときにあんたと出会った。私は
　絶好のチャンスだと思ったわ。それで
　由希と、私の親友たちと一緒にあんた
　をいじめ始めた。由希が作戦を考えて
　私たちが実行してたの」


そうだったんだ…