君と見上げた空【完】
次の日、私は荒川さんと由希ちゃんを
見つけるなりかけよって頭を下げた。

そして言った。

「ごめんなさい!本当に、本当に…!」


荒川さんは目に涙を浮かべ、由希ちゃん
はただただ私を見つめていた。

そして沈黙の時……

それを破ったのは、荒川さんだった。

「もういいよ別に」

そうぶっきらぼうに言った荒川さんは
……笑ってた。私に対して初めての笑顔
を見せてくれた。最低なことをした親の
子供に笑ってくれた。

そう思った瞬間涙が溢れて止まらなくて…

視界が滲んで荒川さんと由希ちゃんが見えない。

けど、由希ちゃんも微かに笑って…

「私も許してあげる」

そう言った。その言葉に私はまた涙腺が
緩んだ。


「ほら、これで拭けよ」

しばらく経った頃、荒川さんは
そう言ってハンカチを差し出してきた。

私は突然のことに驚きを隠せないでいると


「ん!」

そう言って私にハンカチを近づけてきた。

私はそれを静かに受け取った。

「ありがとう」

そして私は静かにお礼を言った……。
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