Heart
少しだけ苦しそうに笑う琉斗。
どうして追いかけて来たの??
あの女の子は??
放っておいたらダメだよ??
「早く、あの女の子の所に戻りなよ。」
あたしは顔を伏せたまま言った。
琉斗の表情を見れない。
あたし、いまどんな顔してるかな??
泣きそうになってるのかな??
自然と目尻に力を入れていた。
瞳に溜まった涙が流れないように。
「………………そうだな。戻らないとな。」
靴と地面が擦れ合う音がした。
琉斗……………。
あたしは伏せていた顔を上げた。
そこに琉斗は……………。
「やっと俺を見た。」
居たんだ。
あたしのことを見ていてくれたんだ。