Heart




あたしはそのまま梓紗と教室に戻った。



良かった……………目は腫れてなかった。


これで琉斗に何か聞かれても大丈夫だ…………。



あたしはそのまま始業の鐘が鳴るまで梓紗と話をした。



胸に走る鈍い痛みに必死に気付かぬフリをして。



……………大丈夫。



あたしは琉斗を信じてるから。



あとで琉斗と帰れるから。



その時に軽い感じで聞けばいいんだ。



いつものように笑って聞けば何も……………。





あたしは、この時に気が付かなかったんだ。




琉斗があたしを見ていることに。











『キーンコーンカーンコーン』×2



終業の鐘が鳴る。



あたしはいつものようにバルコニーに向かった。



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