最後の恋
「駿くん自転車通学なんだね」
「俺の愛車だからな」
「いーなー…
私も自転車欲しいなぁ…」
「え、チャリ持ってねぇの?」
「うん
というより、乗れないんだー」
私がそう言うと、ポカーンと口を開けて驚いていた
え、その顔ものすごく写真撮りたいんですけど…
「え、それマジ?」
「うん、マジマジ
乗る機会がなかったんだよねー…」
ずっと入退院繰り返してたからなー…
「じゃあ、また後ろ乗る?」
「え?」
「昨日約束したしな
毎日学校まで後ろ乗せてやるよ」
駿くんにとっては、なんでもないことかもしれないけど、
私にとっては、約束を覚えててくれたことが、なにより嬉しかったんだ…
私は満面の笑みで、乗る!と応えた