電界妖怪 〜マカフシギ〜 ②
「ああ、そうだったなぁ。美希は夏祭りになると浴衣をまだ着こなし途中なのに外に飛び出したり……」
と、なぜか嬉しそうにお父さんは話していた。
何だろう?どこを見ているのか、昔のことを思い出していたのか上の空だった。
「その時って、もしかして迷子とか、ならなかった?」
と、よく見る記憶で出てくる“迷子”に合わせて聞いてみたけど、
「うん?変なこと聞くな……。迷子にはなったことなんて一度もなかったじゃないか。
方向オンチはパパにはよくあることだけどさ。あはははは」
「そう…なんだ…」
私の思い違い?それとも勘違い?
なんか疑問がスッキリ晴れなかった。



私の部屋。
「美希ちゃん、大丈夫だった?」
私の部屋に入ると、デンタが話しかけてきた。
「うん。なんかいろんなことがあったな……」
「いろんなこと?……それって、もしかして、言えない…こと?」
「ううん。妖怪たちでも悪い妖怪もいるんだなって。
デンタみたいにペットにしたらきっと、みんなが優しくなれるのかなって」
「どうなんだろうね?ボクも美希ちゃんからペットにするハジヨカの効果でなったけれど、
妖怪にはきっと90%以上の妖怪が心(ココロ)を持っていないんじゃないかなって」
「どういうこと?」
私はデンタに言った。
< 137 / 209 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop