12年目の恋物語

また、長い沈黙が流れた。



おい、待てよ。



好きなんだろ?



まだ知り合ったばかりのオレに、あれだけ、熱く語ってたじゃないか!?



毎日、毎日、いかに牧村を好きなのか、話してたじゃないか!?



女の子を好きになるなんて、考えられないって言ってたオレに、

生返事しかしないオレに、

役立たずのオレに、

毎日、毎日、諦めずに、相談してたじゃないか!!



広瀬、

本当に、それで良いのか!?



そんな簡単に諦められるのか!?



「広瀬っ!!」



気がついたら、オレは立ち上がっていた。



「なんで、そんな簡単に諦めるようなこと、言うんだよ!!」



寺本が、驚いたようにオレを見た。
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